中田直志 Nakada Naoyuki

―「人の人生を変える瞬間に出逢った」

立命館大学 IDFC2014参加者/IDFC2016実行委員

Q.IDFCに応募したきっかけを教えてください。

 

―「降ってきたチャンスを掴みに行く」

 

 

 

 

 IDFCを知ったきっかけは大学1年生の9月でした。大学の奨学金受給者の懇親会で、高校の先輩だった橋本(IDFC創設者)に紹介されたことでした。私は高校までインターハイ出場を目指してテニスに打ち込んできましたが、残念ながらその夢を達成できませんでした。選手としての自分に限界を感じたため、大学に入ってからは新たに熱量を注ぎ込める何かを常に探していました。それまでは本当にテニスしかやってこなかったので(笑)、とにかくエネルギーが有り余っていました。もっともっと自分の幅を広げたいと思っていましたし、自慢のフットワークを生かして何でもやってみようと思っていました。そのときに偶然振ってきたのがIDFCというチャンスでした。当時の私は英語も全くできず、ミャンマーのことも全く分かりませんでしたが、その話を聞いたときに直感的に「これだ!」と思って、その場で行きます!」って答えていましたね。

 

 

 

 

Q.IDFCで印象に残っているのはどのようなシーンですか

 

―「自分が人の人生を変える瞬間に出逢った」

 

 忘れられない瞬間があります。IDFC2014の最終日の話なのですが、1週間の活動を通じた学びや成果を一般の人にも伝えるために、ヤンゴン大学の学生を対象にワークショップを開催したのです。その年のトピックが「Career Development」だったので、どうすれば良きリーダーになれるのかというテーマに対する私たちの考えを、IDFC参加者と現地の大学生が一緒になって、ゲームや体を使ったアクティビティを通じて発信するというものです。そのとき参加してくれた1人の女の子が、私たちのワークショップにすごく感動してくれて、「自分もこのような活動がしたい!」って言ってくれたのです。そのワークショップがきっかけになって、その子は自ら2016年度のミャンマー側の実行委員に立候補してくれて、次年度の活動で私と同じ広報を担当することになったのです。これには本当に驚きましたね。そのときに、自分の活動が誰かの心を動かしたことを初めて実感しました。社会的にはちっぽけなものかもしれませんが、その子にとっては人生が変わるようなインパクトがあったのだと思っています。私のような学生が作ったワークショップが人を動かした、あの瞬間は本当に鳥肌が立ちましたね。

 

 

 

 

Q.IDFCに参加して自身にどのような変化があったと思いますか。

 

 -「次へとつながる成功体験」

 

1つ目はやりたいことが明確になったことです。IDFCの事前勉強会で、ミャンマーの難民キャンプを支援している在日ミャンマー人の方との出会いがあり、その縁で私も難民キャンプを訪れました。そこで見たものは以前の軍事政権から迫害された人たちの姿で、IDFCで関わったヤンゴンの人たちを表とすると、ミャンマーの裏を見た気がしました。私は元々ジャーナリストに興味がありましたが、こうした物事の表裏を伝えたいと強く思うようになりました。実行委員に立候補し、2年目のIDFCで地方都市のマンダレーでの開催にこだわったのも、こうしたミャンマーの見えない部分まで参加者の人に伝えることで、深く考えてほしいと思ったという背景があります。

 

2つ目は自信をもって次のステップを踏めるようになったことですね。IDFCが自分の中で1つの大きな成功体験になっていると思います。上の質問でも触れましたが、参加者として誰かの心を動かせたことも自信になったし、次は実行委員としてミャンマー人と一緒にプログラムを作りあげたことも自信になっています。それにIDFCの他の参加者が本当にやばくてですね(笑)、やりたいことや志を持っている学生は少なからずいると思うのですが、それを追いかけて行動している人ばかりでした。視座が高くて、経験を自分の言葉で語れる、そのような人に囲まれていたので、自分ももっと高いところへ行きたいと思えるようになりました。これからデンマークのコペンハーゲン大学へ1年間留学に行きますが、彼らに負けないようにもっと自分から挑戦したいと思っています。いまはもう「なんでも来いやって感じですね。(笑)」

 

 

☆これからIDFCへの参加を考えている学生にメッセージをお願いします。

 

 IDFCの良さはやはり集まるヒトの良さだと思います。自分の将来の夢とか目標とか、こう在りたいって話を本気で語り合える人がいます。普段のコミュニティでは、そのような話をすることはあまりないですし、なんだか気恥ずかしくて、抵抗もありますよね。でもIDFCには自分の想いを理解して、共感し、助けてくれる仲間がいます。そこは日本人の参加者にも、ミャンマー人の参加者にも共通して言えることです。正直、参加に当たって、英語ができないとか、ミャンマーに興味があまりなくても問題ないと思っています。きっかけやモチベーションなんて何でもいいですよ。実際ぼくがそうだったので。(笑)国際交流という経験はもちろんですが、自分の将来について語り合え、いつでも帰って来られるコミュニティに出逢えるのがIDFCの良さだと思います。